Coinomi(モバイル)ウォレットマニュアル

coinomi

Coinomi(モバイル)ウォレットマニュアル

Coinomi  (コイノミ)は、暗号通貨ウォレットの一つで、デスクトップとモバイルに対応しています。

2014 年に発足し、サポートしている通貨の数は暗号通貨ウォレット業界随一(125種類のブロックチェーンおよび 382 種類のトークン)を誇り、セキュリティ水準も高い(発足以来ハッキング被害が 1 件もない)ウォレットとなっています。

同時に、Coinomi モバイルウォレットは、Horizen に対応している唯一のモバイルウォレット(2018 年 10 月時点)となっており、外出先などで ZEN を使う場合は Coinomi ウォレットが最善の方法となるでしょう。

なお、以下では iOS のインターフェースを使って説明していきますが、Android でもインターフェースはほとんど変わりません。

目次

ダウンロード方法

検索エンジンで「coinomi ダウンロード」などと検索すると、検索候補にウォレットダウンロードページが出現するので、そこからダウンロードしていきます。

ウォレットおよびバックアップの作成方法

ダウンロードが完了したら、アプリを開きます。

coinomi wallet

すると、以下のような画面が現れます。

画面下の “Create a New Wallet” をクリックして、新しいウォレットを作成していきます。

coinomi create a new wallet

すると、まず “Recovery Phrase”(リカバリーフレーズ)を紙に書き出すように指示があります。

“Recovery Phrase”(Seed Phrase とも)とは、コンピュータやハードウェアの故障などが発生した場合にウォレットを復元するために使う、一連の単語のことをいいます。

「リカバリーフレーズ」は、Coinomi ウォレットに限らず、暗号通貨ウォレットに一般に備わっている機能です。これを使ったウォレットの復元方法は次章でみていきます。

coinomi recovery

さて、このリカバリーフレーズですが、きちんと紙とペンを用意してメモした上で、安全な場所に保管しておいてください

なお、スクリーンショットで保存しておくことはお勧めしません(実際Coinomi では、リカバリーフレーズのスクリーンショットを撮影しようとすると、以下のような警告が現れます)。

coinomi screenshot

なお、バックアップフレーズには “18 words (secure)” と “24 words (Paranoid)” という 2 つの種類がありますが、あなたが「パラノイド」でない場合は “18 words (secure)” で十分でしょう。

paranoia
出典: https://me.me/i/paranoia-just-because-youre-paranoid-doesnt-mean-they-arent-out-8023504

バックアップフレーズが無事書き出せたら、画面左下の丸アイコンをチェックし、画面右上の “Next” をクリックします。

なお、書き出す際は画面に表示された順番通りにメモすることが重要です。

つまり、今回の例だと “wet” -> “knee” -> … -> “relax” -> “used” … といった具合に、一番上の行の左端の単語からスタートし、右端の単語まで書き出したら一つ下の行へと移って同じ作業を繰り返していくこととなります。

これを最終行の右端の単語(今回の例では “fault”)を書き出すまで続けます。

これが完了すると以下のような画面となり、バックアップフレーズを「順番通り」並べ替えていく必要があります。

メモした順番に単語が並ぶように、各単語をクリックしていきます。

coinomi recovery phrase

正しく並べ替えると、各単語が緑色で表示されます。

画面右上の ”Next” をクリックしましょう。

coinomi confirm recovery phrase

次に、パスワード設定画面となるので、パスワードを入力(確認用のものも含めて)します。

パスワードは、トランザクション認証時などに必要となりますので、忘れないようにしてください。

coinomi password

これで、ウォレットとバックアップの作成が終了です!

コインの追加

前章まででウォレットとバックアップが作成できたわけですが、まだ ZEN を保管したり送受信したりすることはできません。

Coinomi では、ZEN(あるいは他のコイン)をウォレットに追加するという作業が必要となるからです。

そこで、早速コイン追加の方法をみていきましょう。

ここまでガイドに沿ってウォレットを作成された方は、以下のような画面となっているかと思います。

coinomi select coins

なお、一度 Coinomi ウォレットを閉じたという場合は、アプリを開いてから画面左上の3本線をクリックし、“+Coin” というオプションをクリックすることで、同じ画面を表示させることができます。

coinomi add coins
coinomi add coins after close

さて、表示された画面を少しスクロールすると、Horizen の列が現れるので、クリックした上で画面右上の “Next” をクリックします。

coinomi add horizen

なお、以下のような画面となるかもしれませんが、その場合は “Add Coin” をクリックするだけで OK です。

coinomi add coin horizen

ここで、初めてウォレットをインストールした場合は、利用規約に同意するという作業が必要となります。

同意する場合は “Accept” をクリックしましょう。

coinomi terms and conditions

ところで、「同意する場合は」と書きましたが、この契約文書をきちんと読んでから “Accept” をクリックする人は、はたしてどれだけいるのでしょうか(筆者は最初の 1行も読まずに “Accept” をクリックしてしまいました)。IT 技術を利用したサービスがもはや必要不可欠な現代にあって、新しいサービスを使う際、はたまたウェブサイトを訪れる際であっても、利用規約やプライバシーポリシーという契約に(明示的・暗黙的を問わず)私たちが「同意」しているという現実は、特にオンラインプライバシーという問題を考える上で無視できないのではないでしょうか。ひょっとしたら、規約の中に 「野良猫や野良犬にハグをする」といった条項が含まれているかもしれません。また、米カーネギーメロン大学の研究結果によると、平均的なアメリカ国民が、自らが利用するウェブサイトすべてのプライバシーポリシーを読むとした場合、一人当たりおよそ 244時間を要すると想定されています。1日あたりだと、約 40分となります。しかし、このデータは今から10年以上前の統計を元にしており、一人当たり1日で平均4つのウェブサイトを訪れるという前提となっています。当時は SNS などそこまで普及していなかったでしょうから、2018年現在においては、これを2~3倍として考えても決して不合理ではないでしょう。その場合は、1日あたり1~2時間をプライバシーポリシーを読むことに費やすこととなります。1日あたり、規約を確認するためだけにこれだけの時間を費やす人は、ほとんどいないでしょう。実際、利便性とプライバシー保護を天秤にかけて(私を含む)多くの人が利便性を選ぶというケースは、非常に多いのではないでしょうか。こうしたなかで、利便性とプライバシー保護の双方の実現を目指すべく展開している Horizen などのプロジェクトが、オンラインプライバシーを取り巻く昨今の状況に対してポジティブな貢献をしてくれることを、筆者個人は願っています。

なお、次のようにパスワードを入力するよう促されるかもしれません。

その場合は、”Password” の欄に先ほど設定したパスワードを入力し、“Unlock” をクリックしてください。

coinomi enter password

以上で、Coinomi ウォレットに Horizen が無事加わりました!

T トランザクション生成方法

このセクションでは、T トランザクションの生成方法、すなわち T アドレスを使って ZEN を送受信する方法をみていきます(Coinomi では現在、Z トランザクションはサポートされていません)。

まず、先ほどの画面から Horizen のロゴをクリックし、次のような画面を表示させます。

coinomi balance

ZEN の受信方法

画面左下の “Receive” をクリックすると、受信用のアドレスが、文字列と QR で表示されます。

受信するときは、送信相手に文字列のアドレスを知らせるか、QR コードを読み取ってもらってください。

coinomi receive

なお、文字列のアドレスはクリックすることでコピーされるので、そのままペーストすることも可能です。

coinomi copy address

さらに、受信額を指定することもできます。

この場合、受信額の情報は QR コードに反映されるので、相手方には QR コードを公開することになります(よく観察すると、先ほどの QR コードと異なる QR コードが表示されているのがお分かりかと思います)。

なお、日本円の左隣に表示された “ZEN” に表示された数字は、日本円(ここでは 100円)を ZEN に換算した値となっています。

なお、受信額は ZEN で指定することも可能です。

coinomi receive zen

あとは、相手が ZEN を送信してくれるのを待ちましょう。

取引履歴は、ホーム画面から Horizen のアイコンをクリックすると確認でき、送信直後は以下のように薄く表示されます。

coinomi before confirmation

Horizen ブロックチェーン上での十分な確認が完了すると、取引履歴がきちんと表示されます。

coinomi after confirmation

なお、受信額をよく確認してみると、当初は 100円(分のZEN)として設定していましたが、取引(トランザクション)未確認の状態では 99.30円、確認済みの状態では 98.55円となっています。

つまり、取引が十分確認されるまでの10分程度の間に、100円から98.55円へと価値が目減りしていることになります。

利回りにして、1.45%の下落です。

これは、暗号通貨市場の価格変動(ボラティリティ)がいかに大きいかを物語る良い例かと思います。

今回の例では下落していますが、もちろん上昇するケースも当然あります。

ちなみに、2018年 10月 15日においてビットコインは $6222.22 という始値に対し最高値として $6960.98 をつけ、執筆現在は $6503.59 となっています(coindesk のデータによる)。

利回りにして、11% 程上昇したのちに 6%程下落した格好です。

これが24時間未満の時間軸で展開されているのです。

こうした市場ですから、投資(投機)に伴うリスクは必然的に高くなります。

投資は自己責任であることを忘れず、しっかりと情報収集を行なっていきたいものです。

ZEN の送信方法

先ほどの画面右下の “Send” をクリックすると、送信先のアドレスと送信量を入力する画面が現れます。

coinomi pay

アドレスは “Pay to” というフィールドに入力しますが、送信相手に QR コードを表示してもらって “Scan QR Code” からスキャンするのが手っ取り早いです(手動入力は大変です)。

送信量は “Amount” という欄から入力しますが、ZEN および日本円(JPY)のいずれかで入力可能です。

多くの人にとっては、ZEN で計算するよりも日本円で計算した方がわかりやすいと思うので、以下の例では円建てで入力しています。

ここでは、例として 1 円を送信してみます(なお、このように極めて少額であっても送受信できるという点も、暗号通貨の特徴の一つです)。

送信先アドレスと送信額を入力したら、“Send” をクリックします。

coinomi send

すると、パスワードを入力するように促されるので、入力した上で “Unlock” をクリックします。

coinomi password

以上で、送信が完了です!

なお、受信のときと同じように、取引完了後は直ちに取引履歴にトランザクションが表示されますが、取引履歴に完全に反映されるまでには10分程度待つ必要があります。

バックアップを用いたウォレットの復元方法

このセクションでは、ウォレットおよびバックアップの作成方法 で紙にメモをしたバックアップフレーズを使ってウォレットを復元する方法をみていきます。

復元が必要なシチュエーションとしては、たとえばスマートフォンを無くしてしまったり、スマートフォンが故障してしまったり、Coinomi ウォレットをアンインストールした場合などが考えられます。

まず、ダウンロード方法 に従ってダウンロードを行ってアプリを開き、画面下の “Restore a Wallet” をクリックします。

coinomi restore

次に、リカバリーフレーズを入力するための画面が表示されます。

coinomi restore

メモ用紙を参考にしながら順番通り(各行: 左から右へ, 各列: 上から下へ)に入力していきます(以下の例では 24 単語となっていますが、このガイドで紹介されているように 18単語のリカバリーフレーズでウォレットを作成した場合は、18単語を入力してください)。

すべて入力したら、画面右上にある “Next” をクリックします。

coinomi recovery phrase

続いて、パスワードを設定します。

coinomi password

次に、復元するコインを選択します。

ここでは、Horizen を選んでいます。

coinomi recover zen

ここで、利用規約に同意する必要があるので、ウォレット作成時と同じように、“Accept” をクリックします。

coinomi terms and conditions

以上で、ウォレットの復元が完了です!

無事に、以前のウォレットの残高が、取引履歴とともに表示されるようになりました。

coinomi recovered zen

また、Horizen 以外にもコインを所有していたという場合は、コインを追加 の手順に沿って追加することで、データを復元することができます。

Special Thanks!

この Coinomi(コイノミ) ユーザーガイドはHorizen Enthusiastであり、フリーで翻訳をされている tgさん(https://twitter.com/tg_freelancer)に寄稿いただきました。

tgさん、ありがとうございます!!